
制作会社との定例の進め方|報告会で終わらせない議事録の残し方
月に一度の、制作会社とのオンライン定例。 先方の担当者が今月の作業内容を読み上げてくれて、25分が過ぎたころに「ほかに何かありますか?」。とっさに「いえ、特にないです」と答えて、会議はおしまい。 そして翌週、「そういえば、あの採用ページの件、どうなったんだっけ」と、メールをさかのぼることになる——そんな経験、ありませんか。
聞きたいことがなかったわけではないんです。その場で思い出せなかった、あるいは「こんなこと聞いていいのかな」と飲み込んでしまった。定例が報告会で終わってしまうのは、担当者の力不足ではなく、進め方の型がないまま始まっていることが多いからです。今日は、一人でも回せる定例の進め方と、あとで困らない議事録の残し方を一緒に確認していきましょう。
結論:定例を変えるのは、次の3つだけです。
1. 前日までに、こちらからも議題を送る(「相談したいこと」を先に出しておく)
2. 会議中は「決定」「宿題」「保留」の3つだけメモする(宿題には「誰が・いつまでに」を必ず付ける)
3. 終わったら当日中に議事録を送り、先方に確認してもらう
全部を一度に整えなくて大丈夫です。まずは次回、3つ目の「当日中に送る」だけ試してみてください。
何が起きているのか:定例が「報告会」になる3つの理由
制作会社との定例が、なんとなく聞いて終わる時間になりやすいのには、よくある理由があります。
- 議題が先方の報告だけになっている:制作会社は作業の進捗を報告する準備をしてきます。一方で、こちらの「相談したいこと」は事前に伝わっていないので、会議の時間は報告で埋まってしまいます。
- 決まったことと、決まっていないことが混ざっている:「その方向でいいと思います」「一度社内で確認します」といったやり取りが、どれも同じ重さで流れていきます。何が決まって、何が持ち帰りなのか、会議のあとで曖昧になりがちです。
- 議事録がない、または長すぎて読まれない:記録が残らないと「言った言わない」の種になります。かといって、発言をすべて書き起こした長い議事録は、あとで誰も読み返しません。
どれも、誰かが悪いわけではありません。制作会社の側も、「お客さんが何を聞きたいか」が分からないまま報告を用意していることが多いんです。こちらが少しだけ型を用意すると、先方も動きやすくなる——定例は、そういう性質の場です。
手順を小さく分ける:前日・会議中・終わったあと
定例の前後を、3つの場面に分けて考えます。1回あたりの追加の手間は、合わせて15分ほどが目安です。
前日まで:議題を1通のメールで送る(5分)
前日までに、こちらからの議題を短く送っておきます。長い文章はいりません。
件名:【◯月定例】議題のご相談(◯月◯日)
◯◯様
明日の定例で、以下も相談させてください。
1. 採用ページの更新スケジュール(10月中に公開できるか)
2. お問い合わせフォームの項目変更の見積もり
3. 前回の宿題:トップのバナー差し替え → 状況のご確認
資料の準備が必要なものがあれば、当日でなくても大丈夫です。
ポイントは、「決めたいこと」と「確認したいこと」を分けて書くことです。先方も「この件は決める前提で準備しよう」と構えられるので、会議が報告だけで終わりにくくなります。前回の宿題を並べておくと、宿題の確認漏れも防げます。
会議中:「決定」「宿題」「保留」の3つだけメモする

会議中は、発言を全部書こうとしなくて大丈夫です。話を聞きながら、出てきたことを次の3つの枠に振り分けるだけにします。
| 枠 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 決定 | その場で決まったこと | 採用ページは10月20日公開で進める |
| 宿題 | 誰かが持ち帰ってやること。誰が・いつまでにを必ず付ける | フォーム変更の見積もり(制作会社・10月3日まで) |
| 保留 | 今は決めないこと。次にいつ話すかを付ける | トップのリニューアル(11月の定例で再検討) |
いちばん大事なのは「宿題」の書き方です。「確認します」だけで終わった話は、たいてい誰も確認しません。会議の最後の5分で、宿題を声に出して読み上げるのがおすすめです。「では、見積もりは◯◯さんが3日までに、社内の予算確認は私が5日までに、で合っていますか?」。この一言があるだけで、宿題の抜けや勘違いがその場で見つかります。
オンライン会議ツールの録画や、自動の文字起こし・要約機能を使うのも一つの手です。ただ、録画する場合は冒頭で先方にひとこと断りを入れるのがマナーです。また、自動の要約は「決定」と「保留」を取り違えることもあるので、そのまま送らず、3つの枠は自分の目で確かめてから使うと安心です。
終わったあと:当日中に議事録を送る(10分)
会議が終わったら、記憶が新しいうちに議事録を送ります。目安は当日中、遅くとも翌営業日の午前中です。形式は、会議中の3つの枠をそのまま整えるだけで十分です。
件名:【議事録】◯月定例(◯月◯日)
◯◯様
本日はありがとうございました。内容をまとめました。
認識違いがあれば、◯日までにお知らせください。
■決定
・採用ページは10月20日公開で進める
■宿題
・フォーム項目変更の見積もり(制作会社様/10月3日まで)
・フォーム変更の社内予算確認(当社◯◯/10月5日まで)
■保留
・トップページのリニューアル(11月の定例で再検討)
■次回
・11月◯日(◯)14:00〜 オンライン
最後の「認識違いがあれば◯日までにお知らせください」が、ささやかですが効きます。先方が一度目を通したうえで異論がなければ、それが双方の共通認識になります。送った議事録は、制作会社ごとのフォルダなど、あとで探しやすい場所に日付順で保存しておきましょう。
具体例:同じ30分が、こう変わる
ある会社のWEB担当・Aさんの例です(説明用の例です)。
これまで:定例は先方の報告で25分。最後に「特にないです」。議事録はなし。翌月、「採用ページの公開はいつでしたっけ」「こちらの確認待ちだと思っていました」と、お互いに相手のボールだと思っていたことが分かりました。
変えてから:前日に3行の議題メールを送り、会議の最後の5分で宿題を読み上げ、その日の夕方に議事録を送るようにしました。変えたのはそれだけです。
- 報告は15分ほどに収まり、残りの時間で「採用ページの公開日」を決められた
- 宿題の持ち主がはっきりしたので、翌月の定例は「前回の宿題の確認」から始められた
- 上司に「制作会社とはどうなってる?」と聞かれたとき、議事録を転送するだけで済んだ
制作会社の担当者からも「議題を先にいただけると、資料を準備しやすいです」と言ってもらえたそうです。型を用意するのは、相手を管理するためではなく、お互いの手間を減らすため。そう伝わると、関係もむしろ良くなることが多いです。
あなたへの影響
- 定例のあとに「あの件どうなった?」とメールをさかのぼる時間が減る。
- 宿題の持ち主がはっきりするので、「お互いに相手待ち」で止まる案件が減る。
- 議事録が残っていれば、担当の交代や制作会社の乗り換えのときにも、経緯を説明しやすくなる。
- 上司への報告が「議事録の転送+ひとこと」で済むようになる。
明日やること
- 次の定例の日付を確認し、その前日に議題メールを送る予定をカレンダーに入れる。
- 手元のメモ帳やメモアプリに「決定/宿題/保留」の3つの見出しを作っておく。
- 次の定例が終わったら、当日中に議事録を1通送る。まずはこれだけで十分です。
チェックリスト
最初の1つができれば合格です。残りは、定例を重ねながら少しずつで大丈夫です。
まずはこれだけ(必須)
- 定例のあと、「決定」「宿題」「保留」を書いた議事録を当日中(遅くとも翌営業日)に送った
できれば(推奨)
- 前日までに、こちらからの議題(決めたいこと・確認したいこと)を送った
- 宿題に「誰が・いつまでに」を付けた
- 会議の最後に、宿題を声に出して読み上げて確認した
- 議事録に「認識違いがあれば◯日までに」と一文を添えた
慣れてきたら/時間があれば(任意・なければスキップ可)
- 保留の項目に「次にいつ話すか」を付けた
- 議事録を制作会社ごとのフォルダに日付順で保存した
- 録画・自動要約を使う場合、先方に断りを入れ、内容を自分で確認してから使った
- 定例の頻度(週1・隔週・月1)が、今の案件の量に合っているか見直した

定例は、上手に仕切れる人だけのものではありません。 前日に3行の議題を送る。会議のあとに、決まったことを1通にまとめる。それだけで、30分の意味は十分に変わります。
「特にないです」と答えていた時間が、次の一歩を決める時間になる。次の定例、ひとつだけ試してみましょう。
※本記事は一般的な実務の考え方をまとめたものです。定例の頻度や議事録の形式、録画の扱いなどは、制作会社との契約内容や社内のルールによって異なります。実際の運用は、関係者と相談のうえで決めてください。
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