受話器を耳にあてて電話の問い合わせに応対しながら、手元のメモに書き留めている企業のWEB担当者

電話の問い合わせを計測する方法|サイト経由の電話も成果に数える

月次レポートを作りながら、「今月の問い合わせはフォームから4件でした」と書いて、手が止まる。 でも、電話はたしか毎日のように鳴っていた。営業さんも「サイトを見たって言われたよ」と話していた。サイトはちゃんと働いているはずなのに、数字ではそれが見えない——そんなもどかしさ、ありませんか。

それは、あなたの集計が甘いからではありません。GA4などのアクセス解析は、もともとサイトの外で起きる「電話」を自動では数えられない仕組みだからです。今日は、電話の問い合わせを無理のない範囲で「成果」に含めていく方法を、一緒に順番に整えていきましょう。

結論:電話の問い合わせは、次の2つを組み合わせると、追加の費用をかけずに数え始められます。
① 聞く:電話を受けたときに「何をご覧になってお電話くださいましたか」と一言たずね、受電メモに残す。
② 数える:スマホで電話番号がタップされた回数を、GTM(Googleタグマネージャー)とGA4で計測する。
広告や媒体ごとの電話件数まで正確に知りたくなったら、③ 分ける(コールトラッキングで番号を分ける)を検討します。まずは①と②だけで十分です。

電話の問い合わせが計測できないのは、なぜ?

フォームの問い合わせは、送信後のサンクスページを目印にすれば、GA4で「キーイベント(成果)」として数えられます。でも電話は、お客さまがサイトを見たあと、電話機の向こう側で起きるできごとです。サイトには「送信しました」のような記録が残りません。

そのため、何も手を打たないままだと、次のようなことが起きがちです。

一方で、電話を完全に数えることは、どんな方法でも難しいのも事実です。だからこそ、「受電メモ」と「タップ計測」という、それぞれ得意分野の違う2つを組み合わせるのが現実的な落としどころになります。

電話の問い合わせを計測する3つの方法

電話の問い合わせを数える3つの方法「聞く」「数える」「分ける」を、それぞれの絵と組み合わせて横に並べた概念図
まずは「聞く」と「数える」の2つから。「分ける」は必要になってからで大丈夫

電話の問い合わせを計測する方法は、大きく3つあります。手間とわかることが少しずつ違うので、表で並べてみます。

方法わかること手間・費用向いている段階
① 聞く(受電メモ)実際にかかってきた電話のうち、サイトを見た人の数電話を受ける人の協力が必要。費用はかからないまず全社で始める
② 数える(タップ計測)スマホで電話番号がタップされた回数と、そのページ・流入元GTMとGA4の設定が1回だけ必要。費用はかからないGTMが入っていれば今日から
③ 分ける(コールトラッキング)広告・媒体ごとに、実際に通話した件数専用サービスの契約が必要。月額費用がかかることが多い広告費の判断に電話件数が欠かせなくなったら

ここで大事なのは、①と②は数えているものが違うという点です。②のタップは「電話をかけようとした回数」で、実際につながったかどうかまではわかりません。逆に①は実際の電話ですが、聞きそびれた分はこぼれます。2つを並べて見ることで、おおよその実態が見えてきます。

① 聞く:受電メモで「サイトを見て」を残す

いちばん確実で、いちばん地味な方法です。電話を受ける人に、会話の最後に一言だけたずねてもらいます。

  1. 電話を受ける人(受付・営業・自分)と、たずねる一言を決める
  1. 受電メモの項目を、選ぶだけで済む形にそろえる
  1. 共有のスプレッドシートやメモ用紙に、日付と選んだ項目だけ記録する
  2. 月末に「ホームページ」と「Googleマップ」の件数を数え、月次レポートに載せる

聞き方は、営業の雰囲気を壊さない言い回しを、電話を受ける人と一緒に決めるのがコツです。「数字のために聞いて」ではなく、「サイトのどこが役に立ったか知りたいので、協力してもらえると助かります」と頼むと、続けてもらいやすくなります。

② 数える:電話番号のタップをGTMとGA4で計測する

スマホで電話番号をタップすると電話がかかる仕組みは、ページの中で tel: から始まるリンクとして書かれています。このリンクがタップされた瞬間を、GTMで拾ってGA4に送ります。

前提:

手順:

  1. GTMの「変数」で、組み込み変数の「Click URL」を有効にする
  2. 「トリガー」を新規作成する
  1. 「タグ」を新規作成する
  1. プレビューモードでスマホ表示のページを開き、電話番号をタップしてタグが発火するか確認してから公開する
  2. GA4の「管理」→「キーイベント」で、phone_tap をキーイベントとして登録する

これで、「どのページで」「どこから来た人が」電話番号をタップしたかが、フォームの問い合わせと同じ土台で見られるようになります。画面のメニュー名や位置は変わることがあるので、迷ったら各サービスの公式ヘルプで確かめてくださいね。

③ 分ける:コールトラッキングは必要になってから

コールトラッキングは、広告用・Googleマップ用・サイト用などに別々の電話番号を割り当て、どの番号に何件かかってきたかを数えるサービスです。実際の通話件数を媒体ごとに分けて見られるのが強みです。

ただ、月額費用がかかることが多く、表示する電話番号が媒体ごとに変わる運用にもなります。会社の代表番号は、Googleビジネスプロフィールや名刺など、あちこちに載っていますよね。番号の出し分けは、どこに何の番号を載せるかを整理してから、導入するサービスの案内に沿って進めると安心です。

「広告費を続けるかどうかを、電話件数で判断しなければならない」——そんな場面が来てから考えても、遅くはありません。

具体例:フォーム12件・電話タップ30回の月

ある会社の1か月を、①と②を並べて見てみます。

タップが30回でも、実際にサイト経由とわかった電話は18件。間違いタップや、かけようとしてやめた人、聞きそびれた分が含まれるので、タップの回数と電話の件数は一致しないのが普通です。

それでも、レポートには次のように書けます。

今月のサイト経由の問い合わせは、フォーム12件+電話18件(受電メモ)の計30件でした。電話番号のタップは30回で、そのうち半分以上が料金ページから発生しています。

「フォーム12件」だけだったときと比べて、サイトの働きがずっと正確に伝わりますよね。さらに「料金ページからの電話が多い」とわかれば、料金ページの電話番号の見せ方を整える、という次の一手にもつながります。

電話も成果に含めると、何が変わるか

ひとりで抱えていた「サイトって役に立ってるのかな」という問いに、周りの人と一緒に答えを出していける。それがいちばん大きな変化かもしれません。

明日やること

チェックリスト

最低ライン(ここまでできれば十分)

タップ計測(GTMがあれば)

見方と運用

全部を一度に埋めなくて大丈夫です。最初の4つができれば、来月のレポートはもう変わります。

電話で届いていた成果は、これまでも確かにそこにありました。見えていなかっただけです。受電メモの一言と、タップ計測の設定ひとつで、あなたのサイトが毎月どれだけ人の役に立っているかが、少しずつ数字になって見えてきます。まずは明日、自社サイトをスマホで開いて、電話番号を一度タップしてみましょう。

受電メモとアクセス解析の画面を見比べて、電話の問い合わせもサイトの成果だったとわかり、明るい表情で同僚と話している企業のWEB担当者
電話で届いていた成果も、ちゃんと数えられるようになる

よければ、こちらも

フォームと電話を合わせた問い合わせの見込みを立てたいときは問い合わせ数 試算・逆算 計算機もどうぞ。「うちの電話、どう数えたらいい?」と迷ったら、お問い合わせから気軽に声をかけてくださいね。

本記事は一般的な実務情報です。GA4・Googleタグマネージャー・各コールトラッキングサービスの画面・機能・料金は更新されることがあります。最終的な設定や判断は、各サービスの最新の公式情報でご確認ください。

関連用語