印刷した問い合わせメールを机の上で種類ごとに小さな山に分けながら、何かに気づいた表情をしている企業のWEB担当者

問い合わせ内容を分類して分析する|多い相談からサイト改善のヒントを見つける

「料金ってどのくらいですか?」 今週、この一文で始まる問い合わせに返信するのは、たしか3回目。テンプレートを貼りつけて、少し言い回しを整えて、送信。次のメールを開いて、また返信。

問い合わせへの対応は、ていねいにやるほど時間がかかります。だから、届いた声をまとめて振り返る余裕がないのは、ごく自然なことです。でも実は、その「また同じ質問だな」という小さな引っかかりこそ、サイトを直すいちばん確かなヒントだったりします。

今日は、問い合わせの内容を分類して、多い相談からサイト改善の当たりをつける方法を、一緒に順番に整理していきましょう。

結論:問い合わせ内容の分類と分析は、次の3ステップで始められます。
① 分ける:直近3か月の問い合わせを、5〜7個の「相談の種類」に振り分ける。
② 数える:種類ごとの件数を数え、多い順に並べる。
③ つなげる:上位2つについて、「サイトのどこに書いてあれば、この問い合わせは減った(またはもっと良い相談になった)か」を考え、1か所だけ直す。
特別なツールはいりません。スプレッドシート1枚と、1〜2時間あれば十分です。

問い合わせの中で、何が起きているのか

問い合わせフォームに届く声は、ざっくり分けると2種類あります。

後者が多いのは、悪いことではありません。それだけ読者が興味を持ってくれている証拠です。ただ、同じ質問が何度も届くのは、サイトのどこかで情報が見つけにくくなっているサインでもあります。

読者の立場で考えてみると、こんな流れが起きていることが多いです。

  1. サービスページを見て、気になった
  2. でも料金や納期が見当たらない(または、あったけれど見つけられなかった)
  3. 聞くのは少し面倒だけれど、問い合わせフォームに書いた——あるいは、そこで閉じて別の会社のサイトを見に行った

フォームまで来てくれた人の後ろには、聞かずに帰った人もいるかもしれません。問い合わせの中身を分類すると、そうした「見えない離脱」の手がかりが見えてきます。

問い合わせ内容を分類する3ステップ

問い合わせ内容の分類と分析の3ステップ「分ける」「数える」「つなげる」を、それぞれの絵と組み合わせて左から右に並べた概念図
分けて、数えて、サイトのどこにつなげるか。この順番で見ていけば大丈夫

① 分ける:5〜7個の「相談の種類」を決めて振り分ける

まずは、直近3か月分の問い合わせを集めます。フォームの通知メール、問い合わせ管理の画面、共有の受付表など、ふだん届いている場所からで大丈夫です。電話で受けた分の記録があれば、それも一緒に並べましょう。

次に、相談の種類(分類の箱)を決めます。最初から細かく分けすぎると続かないので、5〜7個くらいがちょうどいいです。BtoBの事業会社なら、たとえばこんな箱が使いやすいと思います。

分類中身の例
見積もり・導入相談「見積もりがほしい」「導入を検討している」
料金・費用の質問「だいたいいくら?」「追加費用は?」
サービス内容の質問「こういうこともできる?」「対応範囲は?」
納期・エリア・条件の確認「いつからできる?」「この地域は対応?」
既存のお客さまからの連絡「契約内容の確認」「担当者への連絡」
採用・取材・その他求人への応募、取材依頼、協業の打診など
営業・迷惑売り込み、自動送信の迷惑メッセージ

振り分けるときのコツは3つです。

② 数える:種類ごとの件数を多い順に並べる

振り分けが終わったら、スプレッドシートで箱ごとの件数を数えます。列は「受付日」「分類」「原文のひとこと」「見ていたページ(わかれば)」の4つくらいで十分です。

数えたら、件数の多い順に並べるだけ。グラフにしなくても、上から2〜3つの箱がどれかがわかれば、分析としてはもう十分役に立ちます。

「見ていたページ」は、わかる範囲で大丈夫です。フォームに「どのページをご覧になりましたか」という任意項目を置いている会社もありますし、GA4でキーイベント(問い合わせ完了)の直前に見られたページを確認する方法もあります。全件そろわなくても、傾向がつかめれば十分です。

③ つなげる:上位2つを、サイトのどこで答えるか考える

いちばん大事なのが、ここです。多かった上位2つの箱について、次の問いを立ててみます。

「サイトのどこに、何が書いてあれば、この問い合わせは減った(またはもっと良い相談になった)だろう?」

分類ごとに、つなげやすい直し方の例をまとめておきます。

多かった分類サイトで見直したい場所直し方の例
料金・費用の質問料金ページ、サービスページ料金の目安や「費用が変わる条件」を載せる
サービス内容の質問サービスページ、事例ページ「できること/できないこと」を一覧にする
納期・エリア・条件の確認サービスページ、FAQ対応エリア・期間の目安をよくある質問に足す
既存のお客さまからの連絡お問い合わせページ既存のお客さま向けの窓口を分けて案内する
営業・迷惑問い合わせフォーム迷惑対策の設定を見直す

ここで気をつけたいのは、一度に全部直そうとしないことです。上位1つめの分類について、1か所だけ直す。それで十分です。

また、料金の質問が多いからといって、「問い合わせが減ればいい」というわけでもありません。料金の目安を載せると、質問は減り、そのぶん「この金額なら相談したい」という具体的な見積もり依頼が増える、という変わり方をすることもあります。件数だけでなく、相談の中身がどう変わるかも一緒に見ていきましょう。

具体例:3か月で42件の問い合わせを分けてみたら

ある会社で、直近3か月に届いた問い合わせ42件を分類したところ、次のようになりました。

分類件数割合
料金・費用の質問13件31%
見積もり・導入相談10件24%
営業・迷惑8件19%
納期・エリア・条件の確認6件14%
既存のお客さまからの連絡3件7%
採用・取材・その他2件5%
合計42件100%

※割合は小数点以下を四捨五入しています。

いちばん多かったのは料金の質問で、13件。原文のひとことを見返すと、「だいたいの費用感だけでも知りたい」という声がほとんどでした。サービスページには料金の記載がなく、「詳しくはお問い合わせください」だけになっていたのです。

そこで、サービスページの最後に「料金の目安」と「費用が変わる主な条件」を3行だけ足しました。翌3か月では、料金だけを聞く問い合わせが少なくなり、代わりに「この条件で見積もりをお願いしたい」という、話の早い相談が届くようになった——というのが、この会社で起きた変化です。

もちろん、結果は業種や時期によって変わります。でも、「なんとなくここを直そう」ではなく、届いた声を根拠に直す場所を選べたこと自体が、大きな一歩です。社内で「なぜここを直すの?」と聞かれたときにも、「問い合わせの3割が料金の質問だったので」と、数字で説明できますよね。

分類して見ることで、何が変わるか

問い合わせの一通一通は、読者がわざわざ時間を使って書いてくれた声です。それを毎回ていねいに返してきたあなたの仕事は、分類するひと手間を加えるだけで、サイト全体を良くする材料に変わります。

明日やること

チェックリスト

分ける

数える

つなげる

全部を一度に埋めなくて大丈夫です。今日は「分ける」の最初の10件だけでも、十分に前へ進んでいます。

毎日の返信に追われていると、届いた声を振り返るのは後回しになりがちです。でも、その声の中には、サイトをどう直せばいいかの答えが、読者自身の言葉で書かれています。まずは明日、直近の問い合わせを10件だけ開いて、箱に分けるところから始めてみましょう。

分類した問い合わせの結果をもとにサイトを直し終え、同僚と一緒に画面を見ながら笑顔で話している企業のWEB担当者
届いた声をヒントに直したサイトが、次の相談を連れてきてくれる

よければ、こちらも

分類した件数から、今後の問い合わせの見込みを立てたいときは問い合わせ数 試算・逆算 計算機もどうぞ。「うちの問い合わせ、どう分けたらいい?」と迷ったら、お問い合わせから気軽に声をかけてくださいね。

本記事は一般的な実務情報です。具体例の数字は説明のための一例で、結果は業種・時期・サイトの状況によって異なります。GA4などのツールの画面・機能は更新されることがあります。最終的な設定や判断は、各サービスの最新の公式情報でご確認ください。

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