
問い合わせ件数をGA4で計測する|キーイベント設定の手順
「今月、アクセスは増えたみたいだけど……で、問い合わせは何件あったの?」 GA4を開いても、肝心の「問い合わせ件数」が出てこない——そんなもどかしさ、ありませんか。
それはミスではなく、GA4は「問い合わせを成果として数える」設定を最初に教えてあげる必要があるからです。アクセスの自動計測とは違い、ゴールの定義はサイトごとに違うため、初期状態では数えません。今日は、問い合わせを成果(キーイベント)として数える最短ルートを、現場で回る形で進めます。
結論:いちばん手軽なのは「送信後に表示されるサンクスページの表示」を目印にする方法です。
ただし前提として、GA4のイベント作成とキーイベント登録には「編集者」権限以上が必要です。権限が無い場合は、管理者に依頼してください(依頼テンプレは後述)。
手順は、①サンクスURLの確認 → ②イベント作成(equals推奨+referrer条件で誤カウント抑止)→ ③キーイベント登録 → ④デバッグビュー/リアルタイムで発火確認→後日レポートで追認、の順です。
何が起きているのか
GA4はページ表示やスクロールなどは自動記録しますが、「このサイトの成果=問い合わせ送信」という定義は担当者が指定してはじめて数えます。以前「コンバージョン」と呼んでいた成果指標は、現在は「キーイベント」という名称になっています(画面表記は変わることがあるため、名称や位置は公式情報で確認を)。やることは変わりません。「数えたいできごとに目印をつけ、それを成果として登録する」だけです。
この設定を一度済ませれば、来月からは「問い合わせは○件でした」と根拠ある数字で報告できます。
手順を小さく分ける

前提(必読):
- 権限:GA4でイベント作成・キーイベント登録には「編集者」権限以上が必要。無い場合は管理者へ依頼を。
- PIIの確認:サンクスURLに氏名・メール等の個人情報がクエリ(GET)で含まれないか事前チェック。含まれる場合はこの方法を使わず、フォーム側のPOST化やURL除外などの代替に進む。
- 外部フォーム/別ドメイン・SPAの注意は後述の「この方法が使えないケース」を参照。
進め方(最低ラインの4ステップ):
- サンクスページのURLを確認する
- 問い合わせフォームからテスト送信を1回。送信後に「完了/ありがとうございます」などの専用ページに遷移し、URLが変わるかを確認。URLをメモ。
- そのURLは問い合わせ時だけ表示される専用ページかを確認。直アクセスされるページなら後述のreferrer条件で抑止。
- サンクスURLに氏名・メール等が入っていたら、この方法は中止(代替案へ)。
- イベントを作成する(誤カウント抑止を併記)
- GA4の「管理」→「イベント」→「イベントを作成」へ。
- 名前(例:contact_form_submit)を付け、次の条件を設定。
- event_name = page_view
- page_location equals サンクスURL(equals推奨)
- かつ page_referrer に /contact/ を含む(直ランや再読込の誤計測を減らす目的)
- まずは「デバッグビュー/リアルタイム」で自分のテストが1回だけ発火することを確認。
- キーイベントに登録する
- 「管理」→「キーイベント」で、作成したイベントをキーイベントに設定。
- 2段階チェックで着地させる
- 当日:デバッグビュー/リアルタイムで1件の発火を確認。
- 後日:レポートに反映されたら、キーイベントの件数が増えていることを追認。
- 画面やメニュー名は変わることがあるため、最終的な操作は公式情報で確認を。
権限が無ければ、ここまでの「URLメモ」と「やってほしい条件」を管理者に渡せばOKです(依頼テンプレは後述)。
具体例
WordPressの問い合わせプラグインなどで、送信後に https://example.co.jp/contact/thanks/ へ遷移する場合を考えます。
ステップ2では「page_view かつ page_location equals https://example.co.jp/contact/thanks/ かつ page_referrer に /contact/ を含む」を条件にイベントを作成。お客様がフォーム送信→サンクスページに到達するたびに、contact_form_submit が1回記録されます。これをキーイベント登録すれば、「今月の問い合わせ件数」をレポートで追えます。
一方、送信してもURLが変わらず、同一画面に「送信しました」モーダルだけが出る場合はこの方法は不可。後述の代替案(GTMでの送信、ベンダーの完了コールバック、など)へ進みます。可能ならフォーム設定で「送信後に専用サンクスページへ遷移」に切り替えると、計測も運用も安定します。
この方法が使えないケースと代替案
- 外部フォーム/別ドメインのサンクスページ
- そのページ側にGAタグが無いと計測不可。対処例:
- 自社ドメインのサンクスページへリダイレクトしてもらう
- GTMで form_submit をトリガーにGA4イベント送信
- ベンダー提供の「完了コールバック」等を利用してGA4へ送信
- SPAの完了表示
- 履歴書き換えでURLが変わるタイプなら本記事の方法で可。
- URLが変わらない完了モーダル型は不可。GTMのカスタムイベントやDOM判定で送信する。
- PII(個人情報)がURLに含まれる
- GAにPIIを送らない運用が前提。サンクスURLに氏名・メール等が入るなら、フォーム側のPOST化やURL除外、または本手法を使わない方針に切り替える。
重複カウントを減らす運用ヒント
- 直アクセス・再読込対策として、イベント条件に「page_referrer に /contact/ を含む」を加える(本手順に含済み)。
- ブラウザ戻る→再送信や再読込による重複は起こり得ることを明記しておく。
- 可能ならサンクスページは noindex、キャッシュ無効化を検討。
- 実装できるなら、ワンタイムトークンや再送信防止で多重送信を抑止。
影響
問い合わせをキーイベントで数えられると、「アクセス」と「問い合わせ」を同じ土台で比較できます。どの流入が効いているか、改善の打ち手を話しやすくなり、社内説明の根拠が整います。
明日やること
- 自社フォームからテスト送信を1回して、サンクスURLをメモ(氏名・メール等がURLに入らないかも確認)。
- GA4の権限を確認(編集者以上)。無ければ管理者に依頼。
- 権限があれば、イベント作成→キーイベント登録までを実施。
- デバッグビュー/リアルタイムで1件の発火を確認。レポートで後日追認。
- サンクスページが無い場合は、フォーム側でリダイレクト可否を確認。不可ならGTMの form_submit やベンダーの完了コールバックへ。
管理者への依頼テンプレ(そのまま転送可):
- 目的:問い合わせ送信をGA4でキーイベント計測したい
- 対象プロパティ/計測ID:(記入)
- サンクスURL:(記入)
- 実施依頼:
- page_view かつ page_location equals(上記URL)かつ page_referrer に /contact/ を含む、の条件でイベント作成(例:contact_form_submit)
- 上記イベントをキーイベントに登録
- 可能なら編集者権限の付与、または設定完了の連絡
導入後の運用
- 月1回、「キーイベント件数」と「問い合わせ実数(CRM/メール受信数など)」を突合。
- 乖離が大きければ、条件(URL一致・referrer条件)やフォーム側の再送対策を見直す。
チェックリスト
最低ライン(ここまでで計測が回る)
- テスト送信を1回実施し、サンクスURLを確認・メモした
- GA4の権限が編集者以上である(権限無しなら管理者に依頼済み)
- GA4でイベントを作成した(page_view × page_location equals サンクスURL × page_referrer に /contact/ を含む)
- そのイベントをキーイベントに登録した
確認のしかた(軽量でOK)
- デバッグビュー/リアルタイムで1件の発火を確認した
- 後日、レポートに件数が入っていることを追認した
精度を担保する条件(余裕があれば)
- そのURLは問い合わせ時だけ表示される専用ページである
- 直アクセスや再読込の二重計測が起きにくい運用(noindex/キャッシュ無効化/再送防止)がある
代替ルート・免除条件(当てはまれば本手法を一時免除)
- 外部フォーム/別ドメインのサンクスページで、ページ側にGAタグが無い(代替:リダイレクト/GTM form_submit/ベンダー完了コールバック)
- サンクスURLに氏名・メール等のPIIが入る(代替:POST化・URL除外/本手法を使わない)
- SPAでURLが変わらない完了モーダル型(代替:GTMのカスタムイベントやDOM判定で送信)
全部を一度に埋めなくて大丈夫。上から4項目ができれば合格、残りは余裕があればでOKです。
よければ、こちらも
問い合わせの計測まわりは、次の記事とあわせて読むと、設定から改善まで一本の流れでつかめます。
- GA4そのものの見方に迷ったら:GA4の見方がわからない人へ|最初に見る4つの画面
- 問い合わせを「数える」前に「増やす」なら:問い合わせフォームの離脱を減らす項目の見直し方
- 計測した数字を報告にまとめるなら:月次レポートを15分で作る|上司に見せる数字の選び方

問い合わせの計測は、一度設定すれば、あとは毎月そっと数字が積み上がっていきます。最初は「テスト送信→URL確認→イベント→キーイベント」の4つだけで十分。今日の小さな一歩が、「肌感覚」から「数字」への切り替えになります。
本記事は一般的な実務情報です。GA4の画面・メニュー名・設定手順は更新されることがあります。最終的な設定は、Googleアナリティクスの最新の公式ヘルプでご確認ください。