パソコンの画面に並ぶアクセス解析のグラフを見ながら、首をかしげて考えている企業のWEB担当者

GA4のイベントとキーイベントの違い|まず決める「成果」の考え方

上司に「で、サイトからの成果は何件?」と聞かれて、GA4を開く。画面には「イベント」の一覧がずらりと並び、その横に「キーイベント」という欄もある。page_view、scroll、click……数字はたくさんあるのに、どれが「成果」なのか、自信を持って答えられない。そんなふうに画面の前で固まったことはありませんか。

ここは、ほんとうに多くの担当者が迷うところです。あなたの理解が足りないのではなく、GA4が「全部を記録したうえで、何を成果とするかは担当者に決めてもらう」という作りになっているからです。今日は、イベントとキーイベントの違いをひとことで整理して、自社の成果をひとつ決めるところまで、一緒に進めていきましょう。

結論:GA4のイベントとキーイベントの違いは、次のひとことに尽きます。
- イベント=サイトで起きた「できごと」の記録すべて(ページを見た、スクロールした、リンクを押した…)。
- キーイベント=そのなかから、「これは自社にとっての成果だ」と担当者が印をつけたイベント。

キーイベントは、GA4が勝手に決めてくれるものではありません。まずは「問い合わせ完了」など、成果をひとつだけキーイベントにするところから始めれば十分です。

イベントとキーイベントの違いは「全部の記録」と「成果の印」

GA4では、サイトで起きることはすべて「イベント」として記録されます。ページが表示されたら page_view、ページの下のほうまで読まれたら scroll、外部サイトへのリンクが押されたら click。イベントは、いわば「サイトで起きたことの日記」です。

ただ、日記のすべてが大事なわけではありませんよね。1日に何百回も起きる page_view と、月に数件の「問い合わせ完了」では、意味の重さがまったく違います。そこで、日記のなかから「この1行は、会社にとって大事なできごとです」と印をつけたものが、キーイベントです。

たくさんの丸い玉(イベント)が入った大きな箱の中から、星の印がついた玉だけがキーイベントとして選び出されている概念図
イベントは「起きたことすべて」。そのなかで成果として印をつけたものがキーイベント

ちなみに、以前のGA4では、この「印をつけたイベント」を「コンバージョン」と呼んでいました。現在はGA4の中では「キーイベント」という名前になり、「コンバージョン」という言葉は主にGoogle 広告側で使われる形に整理されています。古い解説記事で「コンバージョンに設定する」と書かれていたら、GA4では「キーイベントにする」と読み替えれば大丈夫です(画面の表記や位置は変わることがあるので、操作の前に公式ヘルプで確認しておくと安心です)。

GA4で記録されるイベントは4種類

イベントの一覧を見て「こんなの設定した覚えがない」と感じたら、それは正常です。GA4のイベントは、大きく次の4種類に分かれます。

種類どう記録されるか主な例
自動収集イベントGA4を入れた時点で自動で記録page_view(ページ表示)、session_start(訪問の開始)、first_visit(初めての訪問)
拡張計測機能のイベント管理画面でオンにしておくと自動で記録scroll(ページ下部まで到達)、click(外部リンクのクリック)、file_download(PDFなどのダウンロード)
推奨イベントGoogleが名前を用意している。自分で設定して記録generate_lead(見込み客の獲得)、purchase(購入)
カスタムイベント自社で名前を決めて設定して記録contact_form_submit(問い合わせ完了)など

一覧にたくさん並んでいるのは、ほとんどが上の2つ、つまり自動で記録されているものです。あなたが何かを間違えたわけではありません。

そして、問い合わせ完了のような「自社の成果」は、たいてい下の2つ、つまり自分で設定するイベントになります。GA4は「問い合わせフォームの送信が完了したこと」を、最初から成果として数えてはくれないからです。

具体例:BtoB企業のサイトなら、キーイベントはこう選ぶ

たとえば、法人向けに部品を販売している会社のサイトで考えてみます。イベントの一覧には、こんなものが並んでいるとします。

このなかで、キーイベントにしたいのはcontact_form_submit(問い合わせ完了)です。営業につながる、会社にとってはっきりした成果だからです。

余裕があれば、file_download(カタログのダウンロード)を2つ目のキーイベントにする考え方もあります。すぐに問い合わせはしないけれど、検討を始めた人の動きとして、見ておく価値があるからです。

逆に、page_view や scroll はキーイベントにしません。数が多すぎて、成果の数字が「ページ表示1万回+問い合わせ8件=1万8件」のようにふくらみ、何が起きているのか分からなくなってしまいます。キーイベントは「増えたら素直にうれしいもの」だけ。そう覚えておくと、迷いにくくなります。

キーイベントを決めると、何が変わるか

キーイベントをひとつ決めるだけで、GA4の見え方はずいぶん変わります。

逆に、キーイベントが決まっていないうちは、どれだけレポートを眺めても「多い・少ない」しか分かりません。キーイベントは、GA4の数字に「意味」を持たせるための最初のひと手間です。

キーイベントを決めて登録する手順

むずかしい設定から入らなくて大丈夫です。次の順で、ひとつずつ進めていきましょう。

  1. 自社の成果を1つ決める:「問い合わせ完了」「資料請求の完了」「見積もり依頼の完了」など、サイトでいちばん大事な行動をひとつ選びます。迷ったら、上司や営業に「サイトからどんな連絡が来るとうれしいですか?」と聞いてみてください。
  2. その成果がイベントとして記録されているか確かめる:GA4の「イベント」の一覧に、それらしいイベントがあるか見ます。なければ、問い合わせ完了後のお礼ページ(サンクスページ)の表示をもとにイベントを作るのがいちばん手堅い方法です。具体的な作り方は問い合わせ件数をGA4で計測する|キーイベント設定の手順で順番に紹介しています。
  3. そのイベントをキーイベントにする:管理画面のイベントの一覧で、該当するイベントを「キーイベントとしてマーク」します。この操作には、GA4で「編集者」以上の権限が必要です。
  4. 本当に数えられているか確かめる:テスト送信をして、リアルタイムのレポートなどでイベントが記録されたかを見ます。レポートへの反映には時間がかかることがあるので、翌日以降にもう一度見ておくと安心です。
  5. 月に1回、実際の件数と突き合わせる:GA4のキーイベント数と、実際に届いた問い合わせメールの数を比べます。多少のズレはよくあることなので、大きく違っていないかだけ見れば十分です。

ひとつ気をつけたいのは、拡張計測機能で自動記録されるフォームのイベント(form_submit など)です。便利そうに見えますが、フォームの作りによっては「送信ボタンを押した」と「送信が完了した」が一致しないことがあります。問い合わせの成果として数えるなら、お礼ページの表示をもとにしたイベントのほうが、実際の件数とそろいやすいです。

明日やること

  1. GA4を開いて、「イベント」の一覧を眺めるだけ眺めてみる(読み解けなくても大丈夫です)。
  2. 自社サイトの成果をひとつだけ決めて、メモに書く(例:「問い合わせ完了」)。
  3. 「キーイベント」の一覧を開いて、すでに何か登録されているかを確認する。
  4. 何も登録されていなければ、問い合わせ件数の計測手順を見ながら、イベント作成とキーイベント登録を進める。権限がなければ、管理者に依頼する。
  5. 登録できたら、テスト送信をして記録されるかを見る。

今日できるのが2番の「成果をひとつ決める」まででも、十分な前進です。何を成果とするかが決まれば、あとの設定は、手順どおりに進めるだけの作業になります。

チェックリスト

まずはこの3つができていれば十分です。最低ラインはここに絞ります。

残りは「余裕があれば」の任意項目です。当てはまらなければ、空欄のままで問題ありません。

パソコンの画面を見ながら、成果の数字が分かるようになってすっきりした表情でうなずいている企業のWEB担当者

GA4の画面にたくさんの数字が並んでいると、全部を理解しなければいけない気がしてしまいます。でも、最初に必要なのは、ぜんぶ分かることではありません。「うちにとっての成果はこれ」とひとつ決めることです。それが決まった瞬間から、あの数字の海は、あなたの仕事を説明してくれる味方に変わります。今日、成果をひとつメモに書けたなら、それはもう立派な一歩です。

よければ、こちらも

成果として問い合わせを数える具体的な設定は、問い合わせ件数をGA4で計測する|キーイベント設定の手順で順番に進められます。GA4そのものにまだ慣れていないならGA4で最初に見るべき4つの画面から、数字の読み方で迷ったらGA4のエンゲージメント率・直帰率の読み方もどうぞ。キーイベントが数えられるようになったら、月次レポートを15分で作る方法で上司への報告にもつなげられます。自社の場合は何を成果にすればいいか迷ったら、お問い合わせから気軽に声をかけてくださいね。

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