
兼務のWEB担当が作業時間を確保する|上司に通る相談の進め方
総務の仕事を片づけて、ようやくひと息ついた夕方5時。 「そういえば、お知らせの更新まだだった」と、ノートパソコンを開く。昼間は電話や来客で手が止まり、WEBの作業はいつも最後に回ってしまう——。
兼務でWEBを担当していると、サイトの仕事はつい「空いた時間にやるもの」になりがちです。でも、それはあなたの段取りが悪いからではありません。WEBの仕事にどれだけ時間がかかっているか、社内の誰にも見えていないから、時間の枠が用意されていないだけです。今日は、その「見えない時間」を見える形にして、上司に作業時間を相談する進め方を、一緒に整理していきましょう。
結論:「時間をください」とお願いするより、次の3ステップで事実と具体的な枠をセットで相談するほうが、話が進みやすくなります。
1. 書き出す:2週間だけ、WEBの作業と時間をメモする
2. 相談する:「週◯時間・◯曜日の午後」のように、枠と引き換えの案をそえて上司に相談する
3. 枠を守る:決まった枠をカレンダーに入れ、月に1回、その時間で進んだことを短く報告する
全部を一度にやらなくて大丈夫です。まずは明日から、WEBの作業にかかった時間をメモするところから始めましょう。
何が起きているのか:WEBの仕事は「見えにくい」
兼務のWEB担当が時間に追われやすいのには、よくある理由があります。
- 作業が細切れで、合計がつかめない:お知らせの更新に15分、問い合わせの転送に10分、画像の差し替えに20分。一つひとつは小さくても、積み重なると週に数時間になります。でも、細切れなので本人も合計を把握していないことが多いです。
- 上司は「何に」時間がかかっているかを知らない:サイトが問題なく表示されていると、裏で誰かが手を動かしていることは見えにくいものです。上司が時間を割り当てていないのは、軽く見ているからではなく、判断する材料が手元にないからかもしれません。
- 本業の予定が先に埋まる:会議や来客など本業の予定はカレンダーに入りますが、WEBの作業は入りません。予定に入っていない仕事は、どうしても後回しになります。
どれも、あなたの努力不足ではありません。仕組みとして、WEBの時間が「ないこと」になっているだけです。だから最初にやるのは、その時間を「あること」にする、つまり書き出して見える形にすることです。
作業時間を確保する3ステップ

ここからは、3つのステップを順に見ていきます。
ステップ1:2週間だけ「書き出す」
まずは、WEBの作業にかかった時間を2週間だけメモします。完璧な記録でなくて大丈夫です。作業が終わったときに、ざっくり書き足すくらいで十分です。
メモする項目は、次の4つだけ。
| 日付 | 作業内容 | 依頼元 | かかった時間 |
|---|---|---|---|
| 10/1 | 新着情報の更新 | 営業部 | 15分 |
| 10/1 | 問い合わせを担当部署へ転送 | ─(定常) | 10分 |
| 10/2 | 採用ページの写真差し替え | 人事 | 30分 |
2週間たったら、作業を次の3つに分けて、それぞれの合計時間を出します。
- 定常:毎週・毎月決まって発生する作業(お知らせ更新、問い合わせの転送、月次の数字の確認など)
- 突発:各部署から急に来る依頼(写真の差し替え、文言の修正など)
- 改善:やりたいのに手が回っていない作業(古いページの見直し、表示速度の改善など)
「改善」は、実際にはほとんど時間を使えていないかもしれません。それで大丈夫です。「本当はやりたいけれど止まっていること」を書き出しておくのが、あとで相談するときの大事な材料になります。
ステップ2:枠の案をそえて「相談する」
記録がそろったら、上司に相談します。ここで大切なのは、「時間が足りません」だけで終わらせないことです。上司が判断しやすいように、次の3点をセットにして持っていきます。
- 今どれくらいかかっているか(記録から出した週あたりの時間)
- 止まっていること・困りそうなこと(改善に手が回っていない作業、対応が遅れがちな依頼)
- 具体的な枠の案と、引き換えの案(「毎週火曜と木曜の午後に2時間ずつ」+「その時間の電話当番を交代してもらえないか」など)
とくに3つ目の「引き換えの案」があると、話がぐっと具体的になります。時間は増やせないので、WEBに時間を使うなら、本業のどこかを誰かに渡すか、後ろにずらす必要があります。それを上司に丸投げせず、「たとえばこれを調整できないでしょうか」と候補を出しておくと、上司も「それならこうしよう」と判断しやすくなります。
最初から大きな枠を求めなくても大丈夫です。「まず1か月だけ試させてください」と期間を区切ると、上司も受け入れやすくなります。
ステップ3:決まった枠を「守る」
枠が決まったら、その時間をカレンダーに予定として入れます。本業の会議と同じように、「WEB作業」として見える形にしておくと、ほかの予定を入れられにくくなります。
そして、月に1回、その時間で進んだことを短く報告します。長いレポートは要りません。「今月はこの枠で、古いページを5つ見直しました」「問い合わせの転送が当日中にできるようになりました」のように、2〜3行で十分です。報告があると、上司も「あの時間は意味があった」と確認でき、枠が続きやすくなります。
具体例:総務と兼務しているAさんの場合
総務と兼務でWEBを担当しているAさん(架空の例です)は、2週間の記録をつけてみました。
| 分類 | 主な作業 | 2週間の合計 |
|---|---|---|
| 定常 | お知らせ更新、問い合わせの転送 | 3時間 |
| 突発 | 各部署からの修正・差し替え依頼 | 5時間 |
| 改善 | 古いページの見直し | 1時間 |
| 合計 | 9時間(週あたり約4.5時間) |
合計してみると、週に約4.5時間をWEBに使っていました。しかも、そのほとんどが夕方以降。改善に使えたのは2週間でたった1時間でした。
Aさんは、この表を持って上司にこう相談しました。
「この2週間、WEBの作業時間を記録してみました。週に4時間半ほどかかっていて、ほとんどが夕方以降になっています。古いページの見直しも手が止まったままです。
そこで、毎週火曜と木曜の午後に2時間ずつ、WEBの作業時間として固定させてもらえないでしょうか。その時間の電話当番を、ほかの方と交代できると助かります。まずは1か月試してみて、進んだことをご報告します。」
上司からは「そんなにかかっていたのか」という反応があり、1か月の試行が決まりました。週4時間の固定枠(火・木の午後2時間ずつ)の中に、突発の依頼もなるべく寄せるようにしたところ、夕方の作業が減り、改善の作業にも少しずつ手が回るようになりました。
突発の依頼を枠に寄せるには、依頼の受け方を整えるのも効きます。各部署の更新依頼をさばく受付ルールの作り方もあわせて参考にしてみてください。
あなたへの影響
- WEBの仕事が「空いた時間にやるもの」から、予定に入った仕事に変わる。
- 夕方や残業での作業が減り、落ち着いて手を動かせる時間ができる。
- 止まっていた改善の作業に、少しずつ手が回るようになる。
- 上司とのあいだで、WEBの仕事の量と中身が共有され、頼まれ方も変わりやすくなる。
明日やること
- メモ帳かスプレッドシートに、「日付・作業内容・依頼元・かかった時間」の4列だけの表を作る。
- 明日のWEB作業から、終わったタイミングでざっくり時間を書き足す。
- 2週間後の日付に「WEB作業時間を集計する」とカレンダーに予約しておく。
チェックリスト
全部にチェックが付かなくても大丈夫です。まず「記録を始める」の3つができれば、もう一歩目は踏み出せています。相談や報告は、記録がそろってからで十分です。
まずここだけ(記録を始める):
- 4列だけの記録表を作った
- WEBの作業が終わったら、時間をメモする習慣を始めた
- 2週間後に集計する日を、カレンダーに入れた
記録がそろったら(相談の準備):
- 作業を「定常・突発・改善」に分けて、それぞれの合計を出した
- 止まっていること・困りそうなことを書き出した
- 「週◯時間・◯曜日の午後」のような具体的な枠の案を決めた
- 本業のどこを調整できそうか、引き換えの候補を1つ考えた
枠が決まったら(続けるために):
- 決まった枠を、カレンダーに予定として入れた
- 月に1回、その時間で進んだことを2〜3行で報告すると決めた
関連テンプレ:上司への相談メモ(そのまま使える型)
【WEB作業時間についてのご相談】
■ 現状(◯月◯日〜◯月◯日の2週間の記録)
・WEB作業の合計:◯時間(週あたり約◯時間)
・内訳:定常 ◯時間/突発 ◯時間/改善 ◯時間
・作業の多くが(夕方以降/本業の合間)になっている
■ 止まっていること・困りそうなこと
・(例:古いページの見直しが進んでいない)
・(例:各部署からの依頼への対応が遅れがち)
■ ご相談したいこと
・毎週(◯曜日と◯曜日)の(午前/午後)に◯時間ずつ、WEB作業の時間として固定したい
・その時間の(本業の作業)を(◯◯さんと交代/別の日にずらす)ことはできないか
■ 進め方
・まず1か月試行し、月末にその時間で進んだことをご報告します

兼務でWEBを担当していると、「自分の仕事は目立たない」と感じる日もあると思います。でも、サイトが毎日きちんと動いているのは、あなたが本業の合間に手を動かしてきたからです。その時間は、会社にとってちゃんと意味のある時間です。
だからこそ、その時間を見える形にして、堂々と相談していいんです。まずは明日、ひとつ目の作業の時間をメモするところから。2週間後には、上司に見せられる数字が手元にそろっています。
※本記事は一般的な実務の考え方をまとめたものです。業務の分担や時間の割り当ては、会社の体制や就業ルールによって異なります。実際の調整は、上司や関係部署と相談のうえで進めてください。
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外注に任せる範囲から見直したいときはWEB運用の内製化と外注|どこまで自社でやるかの判断軸も参考にしてください。うちの場合はどう相談すれば、というときはお問い合わせから気軽に声をかけてくださいね。一緒に考えていきましょう。