夕方のオフィスで、書類仕事を片づけたあとにノートパソコンを開き、少し疲れた表情でサイトの更新作業に取りかかろうとしている兼務のWEB担当者

兼務のWEB担当が作業時間を確保する|上司に通る相談の進め方

総務の仕事を片づけて、ようやくひと息ついた夕方5時。 「そういえば、お知らせの更新まだだった」と、ノートパソコンを開く。昼間は電話や来客で手が止まり、WEBの作業はいつも最後に回ってしまう——。

兼務でWEBを担当していると、サイトの仕事はつい「空いた時間にやるもの」になりがちです。でも、それはあなたの段取りが悪いからではありません。WEBの仕事にどれだけ時間がかかっているか、社内の誰にも見えていないから、時間の枠が用意されていないだけです。今日は、その「見えない時間」を見える形にして、上司に作業時間を相談する進め方を、一緒に整理していきましょう。

結論:「時間をください」とお願いするより、次の3ステップで事実と具体的な枠をセットで相談するほうが、話が進みやすくなります。
1. 書き出す:2週間だけ、WEBの作業と時間をメモする
2. 相談する:「週◯時間・◯曜日の午後」のように、枠と引き換えの案をそえて上司に相談する
3. 枠を守る:決まった枠をカレンダーに入れ、月に1回、その時間で進んだことを短く報告する

全部を一度にやらなくて大丈夫です。まずは明日から、WEBの作業にかかった時間をメモするところから始めましょう。

何が起きているのか:WEBの仕事は「見えにくい」

兼務のWEB担当が時間に追われやすいのには、よくある理由があります。

どれも、あなたの努力不足ではありません。仕組みとして、WEBの時間が「ないこと」になっているだけです。だから最初にやるのは、その時間を「あること」にする、つまり書き出して見える形にすることです。

作業時間を確保する3ステップ

左から「書き出す」「相談する」「枠を守る」の3つのステップを、メモとストップウォッチ、机をはさんで話す2人、1つの枠に色が付いた週のカレンダーの絵で並べた概念図
書き出して見える形にし、枠の案をそえて相談し、決まった枠をカレンダーで守る

ここからは、3つのステップを順に見ていきます。

ステップ1:2週間だけ「書き出す」

まずは、WEBの作業にかかった時間を2週間だけメモします。完璧な記録でなくて大丈夫です。作業が終わったときに、ざっくり書き足すくらいで十分です。

メモする項目は、次の4つだけ。

日付作業内容依頼元かかった時間
10/1新着情報の更新営業部15分
10/1問い合わせを担当部署へ転送─(定常)10分
10/2採用ページの写真差し替え人事30分

2週間たったら、作業を次の3つに分けて、それぞれの合計時間を出します。

「改善」は、実際にはほとんど時間を使えていないかもしれません。それで大丈夫です。「本当はやりたいけれど止まっていること」を書き出しておくのが、あとで相談するときの大事な材料になります。

ステップ2:枠の案をそえて「相談する」

記録がそろったら、上司に相談します。ここで大切なのは、「時間が足りません」だけで終わらせないことです。上司が判断しやすいように、次の3点をセットにして持っていきます。

  1. 今どれくらいかかっているか(記録から出した週あたりの時間)
  2. 止まっていること・困りそうなこと(改善に手が回っていない作業、対応が遅れがちな依頼)
  3. 具体的な枠の案と、引き換えの案(「毎週火曜と木曜の午後に2時間ずつ」+「その時間の電話当番を交代してもらえないか」など)

とくに3つ目の「引き換えの案」があると、話がぐっと具体的になります。時間は増やせないので、WEBに時間を使うなら、本業のどこかを誰かに渡すか、後ろにずらす必要があります。それを上司に丸投げせず、「たとえばこれを調整できないでしょうか」と候補を出しておくと、上司も「それならこうしよう」と判断しやすくなります。

最初から大きな枠を求めなくても大丈夫です。「まず1か月だけ試させてください」と期間を区切ると、上司も受け入れやすくなります。

ステップ3:決まった枠を「守る」

枠が決まったら、その時間をカレンダーに予定として入れます。本業の会議と同じように、「WEB作業」として見える形にしておくと、ほかの予定を入れられにくくなります。

そして、月に1回、その時間で進んだことを短く報告します。長いレポートは要りません。「今月はこの枠で、古いページを5つ見直しました」「問い合わせの転送が当日中にできるようになりました」のように、2〜3行で十分です。報告があると、上司も「あの時間は意味があった」と確認でき、枠が続きやすくなります。

具体例:総務と兼務しているAさんの場合

総務と兼務でWEBを担当しているAさん(架空の例です)は、2週間の記録をつけてみました。

分類主な作業2週間の合計
定常お知らせ更新、問い合わせの転送3時間
突発各部署からの修正・差し替え依頼5時間
改善古いページの見直し1時間
合計9時間(週あたり約4.5時間)

合計してみると、週に約4.5時間をWEBに使っていました。しかも、そのほとんどが夕方以降。改善に使えたのは2週間でたった1時間でした。

Aさんは、この表を持って上司にこう相談しました。

「この2週間、WEBの作業時間を記録してみました。週に4時間半ほどかかっていて、ほとんどが夕方以降になっています。古いページの見直しも手が止まったままです。
そこで、毎週火曜と木曜の午後に2時間ずつ、WEBの作業時間として固定させてもらえないでしょうか。その時間の電話当番を、ほかの方と交代できると助かります。まずは1か月試してみて、進んだことをご報告します。」

上司からは「そんなにかかっていたのか」という反応があり、1か月の試行が決まりました。週4時間の固定枠(火・木の午後2時間ずつ)の中に、突発の依頼もなるべく寄せるようにしたところ、夕方の作業が減り、改善の作業にも少しずつ手が回るようになりました。

突発の依頼を枠に寄せるには、依頼の受け方を整えるのも効きます。各部署の更新依頼をさばく受付ルールの作り方もあわせて参考にしてみてください。

あなたへの影響

明日やること

  1. メモ帳かスプレッドシートに、「日付・作業内容・依頼元・かかった時間」の4列だけの表を作る。
  2. 明日のWEB作業から、終わったタイミングでざっくり時間を書き足す。
  3. 2週間後の日付に「WEB作業時間を集計する」とカレンダーに予約しておく。

チェックリスト

全部にチェックが付かなくても大丈夫です。まず「記録を始める」の3つができれば、もう一歩目は踏み出せています。相談や報告は、記録がそろってからで十分です。

まずここだけ(記録を始める):

記録がそろったら(相談の準備):

枠が決まったら(続けるために):

関連テンプレ:上司への相談メモ(そのまま使える型)

【WEB作業時間についてのご相談】

■ 現状(◯月◯日〜◯月◯日の2週間の記録)
・WEB作業の合計:◯時間(週あたり約◯時間)
・内訳:定常 ◯時間/突発 ◯時間/改善 ◯時間
・作業の多くが(夕方以降/本業の合間)になっている

■ 止まっていること・困りそうなこと
・(例:古いページの見直しが進んでいない)
・(例:各部署からの依頼への対応が遅れがち)

■ ご相談したいこと
・毎週(◯曜日と◯曜日)の(午前/午後)に◯時間ずつ、WEB作業の時間として固定したい
・その時間の(本業の作業)を(◯◯さんと交代/別の日にずらす)ことはできないか

■ 進め方
・まず1か月試行し、月末にその時間で進んだことをご報告します
午後の明るいオフィスで、カレンダーに確保した作業時間に落ち着いて取り組み、穏やかにほほえむ兼務のWEB担当者
時間が「見える」ようになると、WEBの仕事は胸を張れる仕事になる

兼務でWEBを担当していると、「自分の仕事は目立たない」と感じる日もあると思います。でも、サイトが毎日きちんと動いているのは、あなたが本業の合間に手を動かしてきたからです。その時間は、会社にとってちゃんと意味のある時間です。

だからこそ、その時間を見える形にして、堂々と相談していいんです。まずは明日、ひとつ目の作業の時間をメモするところから。2週間後には、上司に見せられる数字が手元にそろっています。

※本記事は一般的な実務の考え方をまとめたものです。業務の分担や時間の割り当ては、会社の体制や就業ルールによって異なります。実際の調整は、上司や関係部署と相談のうえで進めてください。

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外注に任せる範囲から見直したいときはWEB運用の内製化と外注|どこまで自社でやるかの判断軸も参考にしてください。うちの場合はどう相談すれば、というときはお問い合わせから気軽に声をかけてくださいね。一緒に考えていきましょう。