
ローカルSEOの進め方|地域名+業種で見つけてもらうページの作り方
「○○市 外壁塗装」「△△区 税理士」——自分の会社がやっている仕事を、地域名とセットで検索してみたことはありますか。
やってみると、けっこうこたえるんですよね。地図の枠に並ぶのは、規模も業歴も自社とそう変わらない同業他社。その下のリンクも、なぜか大手のポータルサイトばかり。スクロールしても、自社サイトはどこにも出てこない。
「うちのサイト、地域では戦えていないのかもしれない」——そう感じて、この記事にたどり着いた方も多いと思います。でも大丈夫です。地域で見つけてもらう仕事は、大きな予算や特別なツールが要るものではありません。自社が本当に仕事をしているエリアのことを、正直に、具体的に書いたページを1枚作る。その積み重ねが、いちばん確実な道です。
今日は、そのローカルSEO(地域の検索で見つけてもらうための取り組み)を、自社サイト側でできることに絞って、一緒に順番に見ていきましょう。
結論:地域名+業種の検索で見つけてもらうためにやることは、3つです。①自社が実際に対応しているエリアを、正直に決める(背伸びしない)→②そのエリアごとに、その土地の実績・事例・情報を入れた地域ページを1枚ずつ作る(地域名だけ差し替えた量産はしない)→③Googleビジネスプロフィールと表記をそろえ、サイト内から地域ページへリンクを通す。
まずは、いちばん仕事が多いエリア1つだけでページを作ってみる。今日はそこまでで十分です。
何が起きているのか
地域名+業種で検索したときに自社が出てこない。その理由は、たいてい次の2つのどちらか(あるいは両方)です。
1つ目は、「地域のことが書かれたページが、そもそもサイトに1枚もない」というケース。サービス紹介ページには工事の内容や料金は書いてあるけれど、どこで仕事をしているのかは会社概要の住所欄にしか載っていない。これだと、Googleから見て「この会社が○○市と関係がある」という手がかりが、住所ひとつしかありません。地域名で探している人と自社を結ぶ線が、細いままなんです。
2つ目は、「地域検索の枠が、そもそもサイトとは別の場所から作られている」というケース。Googleで地域名を含む検索をすると、地図と数件の事業者が並ぶ枠(ローカルパックなどと呼ばれます)が上のほうに出ることがあります。ここに表示されるのはGoogleビジネスプロフィールに登録された情報で、自社サイトのSEOとはまた別の仕組みで動いています。つまり、サイトをいくら整えても、プロフィール側が未整備なら地図の枠には出てきません。
Googleは、ローカル検索の順位について、次の3つを見ていると公式に説明しています。
- 関連性:検索している内容と、自社の情報がどれだけ合っているか。
- 距離:検索した人の現在地(または検索に含まれた地名)から、どれくらい近いか。
- 視認性の高さ(知名度):その事業者が、世の中でどれくらい知られているか。
距離は自分では動かせません。でも、関連性は、書く内容で確実に育てられます。「うちは○○市のこういう現場を、こういうふうにやってきた」とサイトに書いてあること。それがそのまま、関連性の手がかりになります。
もうひとつ、背景として知っておくと安心なことがあります。かつては「地域名だけを差し替えた同じ内容のページを何百枚も作る」というやり方が流行った時期がありました。今のGoogleは、こうした中身の薄いページの大量生成を、スパムポリシーの対象として明確に扱っています。ですから、この記事でおすすめするのは真逆のやり方です。枚数は少なくていい。その代わり、その土地のことが本当に書かれている1枚を作る。遠回りに見えて、これがいちばん短い道です。
手順を小さく分ける

一度に全部やろうとしなくて大丈夫です。次の順番で、少しずつ進めます。
- 対応エリアを、正直に書き出す:まず紙かメモ帳に、自社が実際に仕事をしているエリアを書き出します。「県内全域」ではなく、市区町村の単位まで落とすのがコツです。そして、ここで背伸びしないこと。行ったことのない市を並べても、書ける中身がないのでページが薄くなり、結局効きません。過去1〜2年の受注先を見返して、実際に多い順に3〜5つあれば十分です。
- エリアごとに検索して、現状を見る:書き出したエリアそれぞれで「○○市 (自社の業種)」と検索してみます。誰が出ているか、地図の枠は出るか、どんな内容のページが並んでいるかを、5分だけながめます。ここで「勝てそうにない」と落ち込まなくて大丈夫です。上位に出ているのがポータルサイトばかりなら、地元の会社が書いた具体的なページが不足しているということでもあります。
- いちばん仕事が多いエリア1つで、地域ページを1枚作る:ここが本番です。中身は次の節にまとめます。1枚目は、いちばん自信を持って書けるエリアを選んでください。書きやすさがそのまま質になります。
- Googleビジネスプロフィール側もそろえる:地図の枠に出るかどうかは、プロフィール側で決まります。名称・住所・電話番号の表記を自社サイトとそろえ、カテゴリ(業種)と説明文を実態に合わせます。詳しい手順は、記事末のリンクからどうぞ。
- サイト内からリンクを通す:作った地域ページは、置いただけでは誰にも見つかりません。グローバルメニューか、サービス紹介ページの中から、文章の流れの中で自然にリンクします(「対応エリア:○○市の施工事例はこちら」のように)。
- 3か月ほど、Search Consoleで様子を見る:地域ページは、公開してすぐ順位がつくものではありません。月に一度、Search Consoleで「そのページが、どんな検索語で表示されたか」を見ます。数字が動かなくても、焦らなくて大丈夫です。
- 手応えがあれば、2枚目のエリアへ:1枚目で「こう書けばいいのか」がつかめたら、2つ目のエリアへ。1枚ずつ、間を空けて増やすのが、結果として長続きします。
まずは「1. 対応エリアを、正直に書き出す」だけでも、今日はもう十分です。
地域ページに、何を書くか
地域ページでいちばん難しいのが、「で、何を書けばいいのか」というところですよね。ここを具体的にしておきます。
必ず入れたいのは、次の3つです。この3つが揃っていれば、地域ページとしての形になります。
- 見出し:ページの一番上の見出し(h1)に、地域名と業種を自然な日本語で入れます。「○○市の外壁塗装なら|株式会社△△」のように。無理に何度も地域名を繰り返す必要はありません。1回、はっきり書いてあれば伝わります。
- 実績:その地域での実際の事例です。ここがページの心臓部にあたります。「○○市□□町のお宅で、築25年の外壁を塗り替えました」——このくらい具体的でいい。写真が1〜2枚あれば、なお伝わります。事例が少なければ、2〜3件からで大丈夫です。
- 連絡先:電話番号、問い合わせフォームへの導線、そして地図。そのエリアの人が「頼めそうだ」と思った瞬間に、迷わず連絡できるようにしておきます。
あると強い(余裕が出たら)のが、次の要素です。
- そのエリア特有の事情:気候、住宅の建て方、道路事情、よくある相談内容など。「海が近く潮風の影響を受けやすい地域なので、こういう塗料をおすすめしています」といった一言は、他社が真似できない中身になります。
- 対応エリアの範囲:その市の中でも、どの地区まで行けるか。近隣エリアの名前もあわせて書いておくと、隣町の人にも届きます。
- 移動時間や対応可能な時間帯:「○○市内なら最短で当日うかがえます」など、地域ならではの安心材料。
- そのエリアのお客さまの声:掲載の許可を取れた範囲で。
気をつけたい、3つの落とし穴
現場でつまずきやすいところなので、先回りしておきます。
- 地域名だけを差し替えた量産ページを作らない:本文が同じで市名だけ違うページを何十枚も並べるのは、前述のとおり今のGoogleが問題視するやり方です。それに、読んだ人にもすぐ分かってしまいます。書ける中身がある土地の分だけ作るのが、結果として安全で、効きます。
- 住んでいない・行っていない土地のことを、想像で書かない:ローカルの記述は、地元の人が読むと本当によく分かります。実績のない土地は、「今後対応予定」と正直に書くか、書かないほうが、信頼を損ないません。
- 表記をそろえ忘れる:会社名・住所・電話番号の書き方が、サイトとGoogleビジネスプロフィールでずれていると、同じ事業者だと判断されにくくなります。自社サイトのフッターの表記を「基準」と決めて、そこに合わせるのが手っ取り早いです。
具体例
たとえば、県庁所在地の隣にある人口10万人ほどの市で、給湯器の交換と水まわりの修理をしている、社員6名の会社を思い浮かべてください。WEB担当は総務と兼務のひとり。サイトは5年前に制作会社に作ってもらったきり、サービス紹介ページと会社概要があるだけ、という状態です。
「○○市 給湯器 交換」で検索すると、上位はすべて全国規模の比較サイト。自社は3ページ目にも見当たりません。
この会社がやったのは、地味なことです。まず、過去2年の作業伝票を見返して、実際に行っている市が3つに絞れることを確認しました。次に、いちばん件数の多い自社所在地の市について、地域ページを1枚だけ作りました。中身は、施工事例を4件(写真と、築年数と、交換した機種の種類と、かかった日数)、「市内なら最短当日、隣の△△町までは翌日対応」という一文、そして電話番号と地図。それだけです。あわせて、Googleビジネスプロフィールの電話番号がサイトと違っていたのを直しました。
半年後、Search Consoleを見ると、そのページが「○○市 給湯器 交換 業者」「○○市 給湯器 修理 即日」といった検索語で表示されるようになっていました。表示回数は月に数十回。クリックは月に数回。大きな数字ではありません。でも、その数回のうちの1件が実際の工事につながれば、この規模の会社にとっては十分な成果です。
派手さはありません。ただ、比較サイト経由ではなく直接自社に来た問い合わせは、話が早く、価格の話にもなりにくい。そこが、地域ページの本当の価値かもしれません。
影響
地域ページを整えると、いくつかの変化が出てきます。
まず、広告に頼らない問い合わせの入口が、少しずつ増えます。地域名を含む検索は、全国キーワードに比べて検索数は少ないぶん、「近くで、今すぐ頼みたい」という気持ちがはっきりしているのが特徴です。数は少なくても、話が進みやすい。限られた予算で動く一人WEB担当にとって、これは心強い導線です。
次に、営業や現場の人に説明しやすくなります。「○○市の事例を載せたい」と社内に頼めば、現場の人は写真を撮ってきてくれます。抽象的な「SEOをやりたい」より、ずっと協力を得やすい。サイト更新の材料が、社内から自然に集まる流れができるのは、地味ですが大きな変化です。
そして、サイトの内容が、会社の実態に近づいていきます。地域ページを作るということは、「うちはどこで、誰に、何をしている会社なのか」を言葉にすることでもあります。その整理は、検索対策を超えて、採用ページや会社案内にも効いてきます。
一方で、正直にお伝えしておきたいこともあります。地域ページは、すぐには効きません。数か月かかるのが普通です。だからこそ、1枚目は「いちばん書きやすいエリア」から始めて、無理なく続けられる形にしておくのが大切なんです。
明日やること
明日、まとまった時間が取れなくても大丈夫です。次のうち、ひとつだけ進めてみましょう。
- 「(自社の主なエリア名) (自社の業種)」でGoogle検索してみて、自社が出るか・誰が出ているかを5分だけ見る。
- 過去1〜2年の受注先を見返して、実際に多いエリアを3つメモに書き出す。
- 自社サイトのどこかに、エリア名が書かれたページがあるかを確認する(会社概要の住所以外に)。
- Googleビジネスプロフィールの電話番号・住所が、自社サイトのフッターと同じ表記かを見比べる。
ここまでできれば、地域ページを書く準備は半分終わっています。
チェックリスト
地域ページを作る前後で、次の項目を確認してみてください。一度に全部埋めなくて大丈夫です。
まずここだけ(最低ライン3つ)
- ①対応エリアを、実績のある市区町村の単位で書き出した(背伸びしていない)
- ②いちばん件数の多いエリアで、地域ページを1枚作った(見出し・実績・連絡先が入っている)
- ③Googleビジネスプロフィールの名称・住所・電話番号が、自社サイトの表記とそろっている
この3つが付けば、土台はできています。今日はここまでで十分です。
余裕が出たら/数か月かけてでOK(任意枠)
- 見出し(h1)に、地域名と業種が自然な日本語で入っているか
- その地域での実績・事例が2件以上、具体的に書かれているか
- そのエリア特有の事情(気候・住宅事情・よくある相談)に触れているか
- 電話番号・フォーム・地図が、ページの中で迷わず見つかるか
- サイト内の他のページから、地域ページへリンクが通っているか
- 地域名だけ差し替えた似たページを、量産していないか
- 月に一度、Search Consoleでそのページの表示検索語を見ているか
任意枠は、できない月があっても問題ありません。最低ラインの①〜③が保てていれば、それで前に進んでいます。
よければ、こちらも
地域で見つけてもらう仕事は、サイト側とプロフィール側の両方から進めると安定します。次の記事もどうぞ。
- 地図の枠に出るための土台なら:Googleビジネスプロフィールの整え方|地域検索に強くする実務手順
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- 地域名と組み合わせる語を探すなら:検索キーワードの探し方|無料でできる調べ方の手順
- ページ本文の書き方を整えるなら:サービスページのSEO|書き方を整えて検索と問い合わせにつなげる
- 効果を確かめる画面の見方なら:Google Search Consoleで検索流入を確認する基本

地域で見つけてもらう仕事は、全国の大きなサイトと同じ土俵で戦うことではありません。その土地で実際に仕事をしてきた会社にしか書けないことを、正直に書く。それだけで、検索している近所の誰かに届く可能性は、確かに上がります。
そして、その「書けること」を一番持っているのは、比較サイトでも大手でもなく、あなたの会社です。現場の写真も、地元のお客さんとのやりとりも、社内にあります。
今日は、自社のエリア名で一度検索してみるだけでも十分です。自分の会社が届く範囲を言葉にしようとしている時点で、ローカルSEOはもう始まっています。
本記事は一般的な実務情報です。Googleの検索アルゴリズム・ガイドライン・ビジネスプロフィールの画面や仕様は更新されることがあります。最終的な設定や判断は、Googleの最新の公式ヘルプ・ドキュメントでご確認ください。