
重複コンテンツ・カニバリの直し方|似た記事を1本に整える手順
「このテーマ、前にも書いた気がする」。記事の一覧を上から眺めていて、そう思ったことはありませんか。
数年サイトを続けていると、似たテーマの記事が自然と何本もたまってきます。担当が変わったり、営業から「この内容も載せてほしい」と依頼が来たり、季節ごとに書き足したり。悪気なく増えていくものです。そして気がつくと、どれも中途半端な順位で、どれも決め手にならない。これが、実務でカニバリ(キーワードの共食い)と呼ばれている状態です。
大丈夫です。記事が増えたこと自体は、続けてきた証拠です。ここからは、増えた記事を並べ直すだけ。今日は、その順番を一緒に整理していきましょう。
結論:やることは3つです。①Search Consoleで、ひとつの検索語に対して自社のページが複数出ていないかを確かめる → ②その中から残す1本(主役)を決める → ③残りを、まとめる/書き分ける/正規URLを指定するのどれかで処理する。この順番で進めれば、消していいのか迷う場面はほとんど出てきません。
何が起きているのか
まず、安心してほしいことがあります。似た内容のページがあるだけで、検索エンジンから罰を受けることはありません。 Googleは、検索順位を操作する目的で同じ文章を大量に複製するようなケースを除いて、重複そのものを問題として扱わないと説明しています。
では何が起きているのか。Googleは、内容がよく似たページを見つけると、その中から代表となる1ページ(正規ページ)を自分で選び、それだけを検索結果に出そうとします。つまり、あなたが3本書いた記事のうち、Googleが選んだ1本しか表に出ていない可能性がある。しかも、選ばれるのは必ずしもあなたが一番読んでほしい1本ではありません。
ここに、もうひとつ重なります。似た記事が3本あると、外部からのリンクも、サイト内のリンクも、読者の滞在も、3つに分かれます。1本にまとまっていれば十分に評価されたはずの力が、薄く散ってしまう。だから「どれも悪くないのに、どれも上がりきらない」という、あの中途半端な状態になります。
なお、カニバリはGoogleの公式用語ではありません。SEOの現場で使われている呼び方です。ですので「カニバリを解消する設定」のようなものは存在せず、やることは結局、読者から見て分かりやすい形に記事を並べ直すことに尽きます。
企業サイトでは、記事以外にも重複が生まれやすい場所があります。
- URLの表記ゆれ:
wwwあり/なし、https/http、末尾のindex.htmlあり/なしが、それぞれ別ページとして扱われている。 - パラメータ付きURL:広告やメルマガの計測用パラメータが付いたURLが、別ページとして拾われている。
- サービス紹介ページの量産:地域名や業種名だけを差し替えた、中身がほぼ同じページ。
- お知らせとブログの二重掲載:同じ文章を、お知らせ欄とブログの両方に載せている。
手順を小さく分ける

いきなりサイト全体を見直さなくて大丈夫です。いちばん気になっている1組(2〜3本)から始めます。
- 重なっている組を見つける:Search Consoleの「検索パフォーマンス」を開き、期間を3か月ほどに広げます。クエリ(検索語)を1つ選んでクリックし、そのまま「ページ」のタブに切り替えます。そのクエリで自社の複数ページが表示されていたら、その組が候補です。上位のクエリから10個ほど見ていけば、たいてい1〜2組は見つかります。
- インデックスの状況も見ておく:Search Consoleの「ページ」(インデックス作成)レポートに、「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」といった項目が出ていないか確認します。ここに並んでいるURLは、Googleが「別のページと同じ内容」と判断したものです。表記名は変わることがあるので、似た趣旨の項目を探してください。
- 主役を1本決める:候補の中から、残す1本を選びます。判断の軸は3つです。(a) その検索語に、いちばん過不足なく答えているのはどれか。(b) 表示回数・クリックが多いのはどれか。(c) 社内・社外からリンクされているのはどれか。迷ったら(a)を優先します。数字が良くても、読者の疑問に答えていない記事を主役にすると、あとで結局書き直すことになります。
- 残りの記事を、3つのどれかに割り振る:
- まとめる:内容がほぼ同じなら、主役の記事に必要な部分を移し、元記事は主役へ301リダイレクト(引っ越し先を検索エンジンに伝える転送設定)します。単に削除すると、そのURLに来ていた人もリンクも行き先を失います。
- 書き分ける:読者の知りたいことが実は違っていた場合は、残す価値があります。それぞれの記事の狙いを1文で言い切れるまでタイトルと見出しを整え、範囲が重なっている段落を削ります。「入門編」と「事例編」のように、役割で分けると迷いにくいです。
- 正規URLを指定する:中身をどうしても残したい(紙の資料と同じ内容を置いている、など)場合は、重複側のページに
canonical(カノニカル)タグを書き、主役のURLを指し示します。これは「代表はこちらです」とGoogleに伝えるための印です。CMSによっては管理画面から設定できます。
- 内部リンクを主役に向け直す:サイト内の他ページから、まとめた側の古いURLへリンクが残っていないか確認し、主役のURLに張り替えます。リンクの文字(アンカーテキスト)も、主役が狙う言葉に揃えておくと、どちらが代表かが伝わりやすくなります。
- 2〜4週間おいて、もう一度見る:処理の結果が検索側に反映されるには時間がかかります。同じクエリで「ページ」タブを開き、表示されるページが1本に絞れているか、そのページのクリックが増えているかを確認します。
まずは「1. 重なっている組を見つける」だけでも十分です。一日で全部片づけなくて大丈夫です。
noindexを先に選ばないほうがいい理由
「じゃあ、いらないほうを検索から消せばいいのでは」と思うかもしれません。noindex(検索結果に出さない指定)は確かに使える手ですが、カニバリの解消では最初の選択肢にしないほうが安全です。noindexを付けたページは検索結果から消えるだけで、そのページが集めていた評価が主役に引き継がれるわけではないからです。まとめるなら301リダイレクト、残すなら書き分けかcanonical。この順で考えると、あとから困りにくくなります。
具体例
たとえば、「オフィスの移転」を扱う会社のサイトに、こんな3本があったとします。
- A:「オフィス移転の流れ」(3年前・くわしいが情報が古い)
- B:「オフィス移転で失敗しないために」(2年前・短いコラム)
- C:「オフィス移転チェックリスト」(去年・図表つき)
Search Consoleで「オフィス移転 手順」を見ると、AとCが交互に表示されていて、どちらも10位前後。Bはほとんど表示されていません。
ここでの整理はこうなります。主役はC。図表があって読者が実際に使える形になっており、情報も新しい。Aの「流れ」の説明のうち、Cに足りていない部分をCへ移し、AはCへ301リダイレクト。Bは、読み返すと「移転のときに社内でもめやすい点」というCとは別の話をしていたので、書き分ける方へ。タイトルを「オフィス移転で社内調整をスムーズに進める進め方」に変え、手順の説明と重なっていた段落は削って、Cへの内部リンクを置く。
これで、「オフィス移転 手順」で出るのはCの1本になり、Bは別の言葉で読まれるようになります。記事を減らしたのではなく、それぞれの役割をはっきりさせただけです。
ここで、一つだけ気をつけたいことがあります。まとめる作業は、必ずバックアップを取ってから進めてください。リダイレクトの設定を間違えると、元のURLにも新しいURLにもたどり着けない状態になることがあります。作業前に、消す予定の記事の本文はテキストで手元に保存しておくと安心です。
あなたへの影響
- 分散していたリンクと評価が1本に集まるため、同じ労力でも順位が上がりやすくなります。
- 検索結果に自社のページが1本だけ出るようになり、読者がどれを読めばいいか迷わなくなります。
- 記事の役割がはっきりするので、次に何を書くべきかが決めやすくなります。「もう書いた気がする」と手が止まる時間が減ります。
- 古い情報の記事が整理され、読者に古い案内をしてしまう場面が減ります。
- 社内から「この内容も載せて」と言われたとき、既存記事に足すか新しく作るかを判断する基準ができます。
明日やること
- Search Consoleの検索パフォーマンスを開き、期間を3か月にして、上位のクエリを10個ほど「ページ」タブで確認する。
- 同じクエリで自社のページが2本以上出ている組を、1組だけメモする。
- その組の中から、残す主役の1本を決める(迷ったら「検索語にいちばん答えている記事」を選ぶ)。
処理そのものは、明日でなくて大丈夫です。今日は「どれが重なっているか」が分かれば十分です。
チェックリスト
全部に一度でチェックが付かなくて大丈夫です。まず必須の3つ(重なっている組を見つける・主役を決める・処理の方針を選ぶ)ができれば、その日の整理はもう前進です。残りは手が空いたときに足していきましょう。
まずここだけ(必須):
- Search Consoleで、同じクエリに自社の複数ページが出ている組を見つけた
- その組の中から、残す主役の1本を決めた
- 残りを「まとめる/書き分ける/正規URLを指定する」のどれにするか決めた
慣れてきたら足したい(優先度:中):
- まとめる記事は、本文をテキストで手元に保存してからバックアップを取った
- まとめた古いURLから、主役のURLへ301リダイレクトを設定した
- 書き分ける記事は、狙いを1文で言い切れるところまでタイトルと見出しを整えた
- サイト内から古いURLへのリンクを、主役のURLに張り替えた
さらに整えるなら(できる範囲で):
- Search Consoleの「ページ」レポートで、重複と判定されているURLを確認した
-
wwwあり/なし、index.htmlあり/なしなど、URLの表記ゆれが1つに統一されているか確認した - 2〜4週間後に、同じクエリで表示ページが1本に絞れたか確認する予定を入れた
- 新しい記事を作る前に「既存記事に足せないか」を見る手順を、社内ルールに1行足した

似た記事が増えてしまうのは、サイトを止めずに続けてきたからこそ起きることです。書いた本数だけ、会社の言いたいことを形にしてきたということでもあります。
だから今日やるのは、片づけというより並べ直しです。どれかを否定する作業ではありません。1本を主役にして、残りにそれぞれの役割を渡してあげる。それだけで、記事は本来届くはずだった人に届き始めます。
一度に全部整理しなくて大丈夫です。今日、重なっている組を1つ見つけられたなら、それはもう整理の始まりです。「うちの場合、どれを主役にすればいいんだろう」と迷ったら、お問い合わせからいつでも声をかけてくださいね。一緒に見ていきましょう。
※本記事は一般的な実務の考え方をまとめたものです。Search Consoleの画面構成やレポートの項目名、検索エンジンの扱い方は更新されることがあります。リダイレクトやcanonicalの設定方法は、お使いのCMS・サーバーによって異なります。実際の作業前にはバックアップを取り、最新の公式情報(Google検索セントラル、各CMSの公式ドキュメント)や制作会社の保守範囲をご確認ください。
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