
サイト納品時に受け取るデータ・アカウント一覧|引き継ぎ漏れを防ぐ
「無事にサイトが公開できた、おつかれさまでした」。 制作会社とのやり取りが一段落して、ほっとしますよね。でも、その安心のすぐ横に、あとから効いてくる落とし穴があります。納品のときに受け取り忘れたデータやアカウントは、数か月後、担当が変わったあと、あるいは制作会社との契約が切れたあとに、じわじわ困りごととして表れてきます。
「サーバーのログイン情報ってどこ?」「ドメインは誰の名義で取ってるんだろう」「トップの写真の元データがない…」。こうなってから探すのは、想像以上に大変です。でも大丈夫。これはあなたの確認不足ではなく、納品時に“何を受け取るべきか”のリストを誰も渡してくれないから起きることです。今日は、そのリストを一緒に作っておきましょう。
結論:受け取るべきものは大きく3種類です。①アカウント・ログイン情報(サーバー・ドメイン・CMS・解析ツールなど、サイトを動かす鍵)→ ②制作データ(画像の元データ・ロゴ・フォント・デザイン等の“作り直せる”素材)→ ③引き継ぎ書類(構成図・仕様・保守範囲・連絡先)。この3つを納品時にそろえておけば、あとで「開けない・直せない・分からない」がぐっと減ります。
何が起きているのか
制作の現場では、公開できた時点でみんなの気持ちがゴールに向かいます。だからこそ、その先の「運用に必要なもの」の受け渡しは、後回しになりがちです。
- ログイン情報が制作会社の中だけにあり、こちらの手元に来ていない
- 画像やロゴの元データ(編集できる形式)をもらえておらず、あるのは書き出し後の画像だけ
- ドメインやサーバーが制作会社の名義・契約のままで、実は自社のものになっていない
- サイトの構成やカスタマイズ内容が担当者の頭の中にあり、書面になっていない
一人で運用していると、これらが表に出るのはたいてい「困ったとき」です。契約が続いているうちは制作会社に聞けば済みますが、担当交代や乗り換え、契約終了が重なると、途端に手が出せなくなります。逆に言えば、納品のタイミングでまとめて受け取っておくのがいちばんラクで、確実です。相手も記憶が新しく、渡してもらいやすい時期だからです。
受け取るものを3つに分けて確認する

いきなり全部を思い出そうとすると抜けが出ます。まずはこの3つの箱に分けて、ひとつずつ確認していきましょう。
- アカウント・ログイン情報をそろえる
- サーバー(管理画面・FTP/SFTP・データベース)、ドメイン(登録事業者の管理画面)、CMS(WordPressなどの管理者アカウント)、独自メールの設定。
- アクセス解析・サーチコンソール(GA4・Google Search Console)、問い合わせフォームの管理画面、SSL証明書の発行元。
- もらったIDとパスワードは、実際に自分で一度ログインできるかを確認します。開けて初めて「受け取れた」と言えます。
- 制作データ(作り直せる素材)を受け取る
- ロゴ(編集できる形式と、書き出し済みの画像の両方)、写真・画像の元データ、使用しているフォントの名称やライセンスの情報。
- サイトを組んでいるテーマ・テンプレートやカスタマイズしたファイル、必要ならデザインデータ。
- 「今あるものを直せる状態か」を基準に考えると、何が必要か判断しやすくなります。
- 引き継ぎ書類(分かるようにする資料)をもらう
- サイト構成図(サイトマップ)、実装した機能やカスタマイズの仕様メモ、保守契約に含まれる範囲(どこまで対応してもらえるか)。
- 更新のやり方の簡単な手順書、困ったときの連絡先・受付方法。
- 口頭説明だけで終わらせず、あとで読み返せる形で残してもらうのがポイントです。
全部を一度にとは気負わなくて大丈夫。まずは「1. アカウント」から、自分でログインできるかを一つずつ確かめるだけでも、安心感が大きく変わります。
具体例
たとえば、リニューアルの納品ミーティングで、こんなふうに進めます。
- 事前に「納品時に受け取りたいもの一覧」を1枚送っておき、当日はそれを見ながらチェック。
- サーバー・ドメイン・CMSのログイン情報を受け取ったら、その場で実際に一度ログインしてみる。開ければ◯、開かなければその場で確認。
- ロゴと写真の元データは、共有フォルダにまとめてもらい、中身が開けるかをざっと確認。
- 「保守はどこまで見てもらえますか」「トラブル時はどこに連絡すれば?」を口頭で聞き、その回答も書面かメールで残すようお願いする。
派手な作業ではありませんが、この一手間で「あとで開けない・連絡先が分からない」という将来の困りごとを、まとめて防げます。名義の確認(ドメイン・サーバーが自社のものになっているか)も、この場で聞いておくと安心です。
あなたへの影響
- ログイン情報が自分の手元にそろうと、制作会社に都度連絡しなくても、小さな更新やトラブル確認を自分で始められます。
- 元データがあれば、画像の差し替えやロゴの再利用を自社で進められ、外注コストや待ち時間が減ります。
- 名義や保守範囲がはっきりすると、契約更新や乗り換えの判断がしやすくなり、いざというときに慌てません。
- 引き継ぎ書類が残っていれば、担当が変わっても同じように運用でき、あなたが抱え込まずに済みます。
明日やること
- 「納品時に受け取るもの一覧」を1枚用意する(下のチェックリストをそのまま使ってOK)。
- すでに納品済みなら、手元にあるログイン情報で実際にログインしてみて、開けないものを洗い出す。
- 足りないもの(元データ・名義・保守範囲など)を書き出し、制作会社に依頼するリストにまとめる。
チェックリスト
納品の前後に、この1枚を見ながら確認しましょう。すでに公開済みのサイトでも、今から棚卸しする形で使えます。所要時間の目安:確認とログイン試行で30〜60分ほど。
- アカウント・ログイン情報
- サーバーの管理画面・FTP/SFTP・データベースの情報をもらい、ログインできた
- ドメインの登録事業者・管理画面の情報をもらい、名義が自社か確認した
- CMS(WordPress等)の管理者アカウントでログインできた
- 独自メールの設定情報を受け取った
- GA4・Search Console・問い合わせフォームの管理権限を受け取った
- SSL証明書の発行元と更新方法を確認した
- 制作データ(作り直せる素材)
- ロゴを「編集できる形式」と「書き出し画像」の両方でもらった
- 写真・画像の元データを受け取った
- 使用フォントの名称・ライセンスの扱いを確認した
- テーマ・テンプレートやカスタマイズしたファイルを受け取った
- 引き継ぎ書類
- サイト構成図(サイトマップ)をもらった
- 実装機能・カスタマイズの仕様メモをもらった
- 保守契約に含まれる範囲を書面で確認した
- 更新手順の簡単なマニュアルを受け取った
- 困ったときの連絡先・受付方法を控えた

納品のときに受け取るものは、あとから一つずつ探すと本当に骨が折れます。でも、記憶が新しく相手も渡しやすいこのタイミングなら、まとめて手元にそろえられます。アカウント・制作データ・引き継ぎ書類の3つを、開けるか・使えるかまで確認しておく。それだけで、半年後のあなたがずいぶん助かります。
一度に完璧をめざさなくて大丈夫です。まずは手元のログイン情報で、一つログインしてみるところから。「うちの場合は何をもらっておけば?」と迷ったら、お問い合わせから気軽に声をかけてくださいね。