
来年のWEB予算の立て方|費目の分け方と見積もりのコツ
「来年のWEB予算、いくらで出しておけばいい?」——上司からそう聞かれて、白紙の予算表を前に固まってしまう。去年はなんとなくの金額で出したけれど、今年こそ根拠を持って出したい。でも、何を項目に並べればいいのかもよくわからない——そんな経験、ありませんか。
その手が止まるのは、あなたが数字に弱いからではありません。WEB予算は「ゼロから金額を考える」と難しく、「去年の実績を並べて、種類ごとに分ける」と一気に立てやすくなるだけなんです。今日は、来年のWEB予算を、決まった手順に沿って一緒に組み立てていきましょう。会計の知識も、立派なExcelもいりません。
結論:WEB予算は、費目を「①固定費(毎年必ずかかる)→ ②施策費(やりたいこと)→ ③予備費(もしもの備え)」の3種類に分けて考えます。
まず去年1年で実際に払ったものを全部書き出し、それを①〜③に振り分ける。①は削れない土台、②はやりたいことの優先順位づけ、③は総額の1〜2割を目安に。この順で埋めれば、根拠のある一枚になります。
何が起きているのか
WEB予算が立てにくいのは、多くの場合、「毎年かかるお金」と「今年やりたいこと」が頭の中でごちゃ混ぜになっているからです。ドメインやサーバーのように放っておいても発生する費用と、リニューアルや広告のように「やるかどうか選べる」費用は、性質がまったく違います。ここが混ざったまま総額を出そうとすると、「なぜこの金額?」に答えられなくなります。
もうひとつ起きがちなのが、固定費の見落としです。ドメイン更新、サーバー代、SSL、保守契約、使っているツールの月額——これらは金額が小さかったり自動で引き落とされたりするので、予算表から漏れやすい。でも、漏らすと年の途中で「予算に入れていなかった支払い」が出てきて、あなたが板挟みになります。
だから、まず去年の実績を一度ぜんぶ棚卸しして、種類で分ける。この作業さえすれば、来年の予算は「去年の続き+やりたいことの調整」で組めるようになります。ゼロから発明する必要はないんです。
手順を小さく分ける

一度に完成させようとせず、次の順で埋めていきます。最初は手書きのメモや簡単な表で十分です。
- 去年払ったものを全部書き出す:請求書・クレジット明細・発注メールをたどって、WEBに関する支払いを1年分ならべます。「ドメイン更新」「サーバー」「保守」「記事の外注」「広告」など、金額と支払い時期もメモ。思い出しより、記録をたどるのがコツです。
- ①固定費に振り分ける:放っておいても毎年・毎月かかるものを分けます。代表的なのは、ドメイン更新、レンタルサーバー、SSL証明書、CMSやプラグイン・テーマのライセンス、保守契約、使っているSaaS(アクセス解析の有料版・フォーム・メール配信など)。ここは基本、削れない土台です。
- ②施策費に振り分ける:今年やる・やらないを選べるものです。サイト改修、機能追加、記事や写真の制作、デザイン、リスティングやSNSの広告費など。ここは「必ずやる/できればやる/余裕があれば」の3段階で優先順位を付けておくと、後で削るときに迷いません。
- ③予備費を上乗せする:不具合の緊急対応や、途中で必要になるツールなど、読めない出費への備えです。目安は①+②の合計の1〜2割。多すぎると通りにくく、ゼロだと年の途中で困ります。
- 来年ぶんに調整する:値上がりしそうな固定費(サーバーやツールの料金改定)、今年新しく始めること、逆にやめることを反映します。わかる範囲でいいので、増減の理由を一言ずつ添えておくと、説明のときに効きます。
まずは①「去年払ったものの書き出し」だけでも、今日はそれで大きな一歩です。残りは後日でも構いません。
具体例
たとえば、こんな一枚にまとまります。金額は会社ごとに違うので、ここでは「どんな費目が並ぶか」の形として見てください。
- ①固定費(毎年・毎月かかる):ドメイン更新/レンタルサーバー/SSL/保守契約(月額)/アクセス解析や問い合わせフォームなどのツール月額。→ この合計が、来年の「最低ライン」になります。
- ②施策費(今年やりたいこと):〔必ずやる〕古い記事のリライト、写真の撮り直し。〔できれば〕問い合わせフォームの改修。〔余裕があれば〕新カテゴリの追加。→ 上から順に見積もりを取ります。
- ③予備費:①+②の1〜2割。不具合対応や、途中で増えるツール代に備える枠。
見積もりを取るときのコツは、「一式いくら」で受け取らないことです。とくに②の制作系は、「デザイン一式◯万円」だけだと比べられません。相見積もりを取り、内訳(ページ数・作業範囲・修正回数など)が具体的か確認します。そして予算表には、確定した1点の金額ではなく「◯◯万〜◯◯万円」の幅で書いておく。これが、後で「話が違う」を防ぎます。
金額の注意:ドメインやサーバー、各種ツールの料金は、時期やプラン改定で変わります。「去年と同額」と決め打ちせず、来年ぶんは各サービスの最新の公式料金を一度確認しておくと安心です。とくに複数年契約の更新月は、まとまった額が動くので見落とさないように。
あなたへの影響
- 費目を3種類に分けるので、「なぜこの総額か」を上司にそのまま説明できる。
- 固定費を先に固めるため、年の途中で「予算に入れ忘れた支払い」に慌てなくなる。
- 施策費に優先順位を付けておくと、減額を求められても「どこを削るか」を自分で決められる。
明日やること
- 去年1年ぶんの請求書・クレジット明細から、WEB関連の支払いを金額つきで書き出す(まずは思いつくものだけでも可)。
- 書き出したものを、固定費/施策費の2つにざっくり分けてみる(予備費は後でよい)。
- 今年やりたいことを3つだけ挙げ、必ず/できれば/余裕があればのどれかに振り分ける。
チェックリスト
まずは上の3つが書けていれば十分です。全部そろわなくても、順番に埋めていけば大丈夫。できていない項目に×を付ける必要はありません。
まずはこれだけ(必須)
- 去年払ったWEB関連の支払いを、金額つきで書き出せた
- それを「固定費」と「施策費」に分けられた
できれば(推奨)
- 固定費(ドメイン・サーバー・SSL・保守・ツール月額)に漏れがないか見直した
- 施策費に「必ず/できれば/余裕があれば」の優先順位を付けた
- 予備費を①+②の1〜2割で上乗せした
慣れてきたら/余裕があれば(任意・なければスキップ可)
- 制作系の費目は相見積もりを取り、内訳が具体的か確認した
- 予算表の金額を「幅(◯〜◯万円)」で書いた
- 値上がり・複数年契約の更新月など、来年の増減理由を一言添えた

来年の予算づくりは、ゼロから金額をひねり出す作業ではありません。去年の実績を並べて、種類ごとに分けていく整理の作業です。 今日、去年の支払いをいくつか書き出せたなら、あなたはもう一番大変な部分に手をつけています。完璧な予算表を一度で仕上げようとしなくて大丈夫。固定費から順に、一行ずつ埋めていきましょう。
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